ニンニク・ショウガの皮や芽を捨てずに美味しく活用!ゼロ・ウェイストな使い切りレシピと賢い保存術
ニンニク・ショウガの皮、芽、根っこを美味しく使い切り、食品ロスを削減しましょう
日々の料理に欠かせないニンニクやショウガ。しかし、使う際に取り除く皮や根っこの硬い部分、そしてうっかり芽が出てしまったものなど、意外と捨ててしまう部分が多いと感じていませんか?
これらの「捨てられがちな部分」には、実は風味や栄養が豊富に含まれており、適切に活用することで料理の幅が広がるだけでなく、食品ロス削減にも大きく貢献できます。環境への意識が高い読者の皆様にとって、こうした小さな積み重ねがゼロ・ウェイストな暮らしに繋がる重要な一歩となるはずです。
このコラムでは、ニンニクとショウガの皮、芽、根っこの部分を無駄なく美味しく使い切るための具体的な方法と、風味や鮮度を長持ちさせる賢い保存術をご紹介します。
捨てられがちな部分にも秘められた価値
皮や根っこの部分
ニンニクやショウガの皮、特にショウガの薄い皮の近くには、香り成分や抗酸化物質などの栄養が多く含まれています。根っこの硬い部分にも、野菜本来の旨味が凝縮されています。これらはそのまま食べるには向きませんが、加熱したり抽出したりすることで、その良い成分や風味を余すことなく活用できます。
芽の部分
ニンニクから出る芽(芽子ニンニク)や、ショウガの芽も食用にできます。ニンニクの芽は成長すると茎ニンニクとして流通するものとは異なりますが、家庭で発芽したものでも適切に扱えば美味しくいただけます。ショウガの芽は辛味が少なく、彩りにも使えます。ただし、ニンニクの芽には微量のソラニンが含まれる可能性が指摘されることもありますが、一般的な使用量で健康に害を及ぼすという報告はほとんどありません。気になる場合は、しっかりと加熱することでより安心して使用できます。
風味を長持ちさせる賢い保存術
皮や芽、根っこの部分は少量ずつ出るため、すぐに使わない場合は適切に保存することが重要です。
1. 冷凍保存
- 方法: よく洗い、水気をしっかりと拭き取った皮、根っこ、芽、端切れなどをまとめてジッパー付き保存袋に入れるか、少量ずつラップに包んでから保存袋に入れて冷凍します。
- 利点: 風味や品質の劣化を抑え、長期間(約1ヶ月程度)保存できます。凍ったまま料理に加えても良いでしょう。
- 活用: ベジブロスの材料や、香味油を作る際にそのまま使えます。
2. 乾燥保存(主に皮、根っこ)
- 方法: よく洗い、水気を拭き取った皮や根っこをザルなどに広げ、風通しの良い場所でカラカラになるまで完全に乾燥させます。または、低温のオーブン(100℃程度)や食品乾燥機を使っても良いでしょう。完全に乾燥したら、密閉容器に入れて保存します。
- 利点: 重量や体積が減り、常温で長期間(数ヶ月)保存できます。旨味が凝縮されます。
- 活用: 乾燥させたものをそのままベジブロスの材料にしたり、細かく砕いて香味パウダーとして利用したりできます。
3. 香味油として保存
- 方法: 少量のオリーブオイルや米油などと共に、皮や根っこ、芽、端切れなどを弱火でじっくり加熱し、香りを油に移します。焦げ付かないように注意し、きつね色になったら具材を取り除きます。冷めたら清潔な瓶に移して冷蔵保存します。
- 利点: ニンニクやショウガの風味が移ったオイルとして、様々な料理にすぐに使えます。冷蔵で2〜3週間程度保存可能です。
- 活用: パスタや炒め物の風味付け、マリネ液などに活用できます。
美味しく使い切るための具体的なレシピと活用法
保存した皮や芽、根っこの部分は、様々な料理に活用できます。
1. 万能ベジブロス(野菜だし)
捨てられがちな野菜の皮(ニンジン、玉ねぎ、セロリなど)と一緒に、ニンニクとショウガの皮、根っこ、端切れなどを集めてベジブロスを作りましょう。
- 材料:
- 集めた野菜の皮やヘタ、根っこなど(ニンニク、ショウガを含む) 適量
- 水 適量
- 作り方:
- 集めた野菜くずを流水でよく洗います。
- 鍋に野菜くずと水を入れ、弱火で20〜30分ほど煮出します。
- アクを取りながら、野菜の旨味と香りが出てきたら火を止めます。
- ザルなどで濾して、野菜くずを取り除けばベジブロスの完成です。
- 活用: スープ、ポタージュ、カレー、煮込み料理、リゾットなど、水を使う代わりにベジブロスを使うことで、料理に深みと複雑な旨味が加わります。濾した後の野菜くずはコンポストに利用することも可能です。
2. 香り高い香味油
上記「香味油として保存」で紹介した方法で風味を移したオイルは、炒め物やパスタに少量加えるだけで、食欲をそそる香りをプラスできます。
- 活用:
- アヒージョの風味付け
- 炒飯や野菜炒めの最初に使う油として
- ドレッシングやマリネ液に少量加える
- パンにつけるオリーブオイルに混ぜる
3. 香り豊かな香味パウダー(乾燥させた皮、根っこ)
乾燥させたニンニクやショウガの皮、根っこは、フードプロセッサーやすり鉢で細かくパウダー状にすることで、ふりかけやスパイスとして活用できます。
- 作り方:
- 完全に乾燥させたニンニク、ショウガの皮や根っこをフードプロセッサーに入れます。
- 滑らかなパウダーになるまで撹拌します。
- 細かい目のザルで濾すと、より滑らかなパウダーになります。
- 活用:
- 肉料理や魚料理の下味に
- スープや麺類の薬味として
- 炒飯や焼きそばの風味付けに
- 塩と混ぜて「香味塩」にする
4. ニンニクの芽・ショウガの芽の活用
自宅でうっかり伸びてしまったニンニクの芽やショウガの芽も、料理のアクセントになります。
- 活用:
- 細かく刻んで、薬味として冷奴や和え物に散らす。
- 刻んで味噌汁やスープの具材にする。
- サッと油で炒めて、彩りとして添える。(ニンニクの芽の場合はしっかり加熱推奨)
実践の際の注意点
- 使用する皮や芽、根っこは、必ず新鮮で傷んでいないものを選びましょう。
- 土などが付いている可能性があるので、使用する前に流水で丁寧に洗ってください。
- 農薬などが気になる場合は、無農薬・有機栽培のものを選ぶか、重曹などを溶かした水に短時間浸け置きしてから使用するなどの対策も考えられます。
まとめ
ニンニクやショウガの皮、芽、根っこといった普段捨ててしまいがちな部分も、少し工夫するだけで美味しい食材として生まれ変わらせることができます。ベジブロスや香味油、パウダーなど、様々な形で活用することで、料理のレパートリーが広がるだけでなく、大切な食品を無駄なく使い切るという、環境に配慮した取り組みにも繋がります。
今回ご紹介した方法を参考に、ぜひ今日からニンニクやショウガの「隠れた美味しい部分」を活用し、食品ロスゼロを目指したキッチンライフを送ってみてください。
関連情報: * 野菜くずコンポストに挑戦してみる * 他の野菜の皮やヘタの活用法を調べる
# ベジブロス作りの基本構成要素(例示:コードブロックとして利用はしない)
# 多くのベジブロスレシピに含まれる一般的な材料と割合の考え方を示す
# 野菜くず:全体の容量の半分程度を目安に
# 水:野菜くずが浸る程度
# 煮る時間:20分〜1時間程度、弱火でじっくり
# 塩・こしょう:風味付けに少量(お好みで)